ふるえについて
- 2008年01月11日
- 院長コラム
ふるえるの状態を医学的に振戦と呼びます。振戦症状で最も頻度は多くかつ病状が進行しないものとして本態性振戦と言う病態があります。その他振戦を主な症状とする疾患にはパーキンソン病、脊髄小脳変性症、アルコール中毒、薬物中毒他、稀な遺伝的な疾患等があげられます。
本態性振戦は口、頭部、手足、声のふるえのみの症状の疾患で、振戦の頻度は1秒間に4~8回で、20~40歳頃に出現します。振戦は緊張した時やストレス時や睡眠不足で顕著になります。診断には振戦の他に歩行障害等の神経症状がない事と振戦の振幅が小さい事等で診断をします。症状の原因については原因は不明で、治療法は一部の降圧剤や安定剤が効果を示す場合がありますが、この場合一時的に振戦が軽快をするのみで治癒する事はありません。
鑑別診断としては上記の疾患があり、例えばパーキンソン病はふるえの左右差、振幅が大きく頻度もゆっくりの事で、脊髄小脳変性症は歩行障害や他の神経症状の出現から、アルコールや薬物中毒や遺伝的な疾患は病歴から判断をします。