抗痙攣剤と妊娠
- 2008年11月15日
- 院長コラム
妊娠中の抗痙攣剤の服用はこれらの薬の催奇形性から十分に事前の検討が必要です。一般的に全身痙攣等の発作の為に妊娠中や出産中に、胎児や母体に危険を引きこす可能性が抗痙攣剤の催奇形性を上まれば服用が許される事になります。具体的に考えれば正常な出産に際しての奇形の頻度は2~3%と考えられ、抗痙攣剤の種類によって異なりますが、最も安全とされる抗痙攣剤を服用してもこの頻度は2倍から3倍に増加するようです。従って妊娠中に抗痙攣剤を服用する事での奇形の頻度は4%~9%となります。つまり約1/11~1/25の出産で問題となる事になります。
一方、抗痙攣剤服用中でも痙攣発作(発作の重症度に関係なく)が1回以上/年起こる可能性のある症例では、薬を服用する事プラス発作の危険性の2重の問題から医師による妊娠許可の可能性は難しい事になります。
従ってより厳しく基準で症例を限定すると、癲癇の患者さんで痙攣発作のコントロールが3~5年間以上出来ており、なおかつ脳波が正常な症例で上記の内容を十分に理解された御夫婦に限り妊娠が許されると考えます。