血圧調整と気温
- 2009年07月27日
- 院長コラム
日本の気候風土は、地球温暖化によって温帯性気候から亜熱帯性の気候へ変わってきているようです。特に夏は高温多湿が顕著となり、街中ではアスファルトやコンリートがある他、緑の不足から人間の体温以上に気温が上昇する日も、年に数日数える事が多くなっています。また、冬は暖冬であっても広島市の年最低気温は、雪の降る日には0℃近くに低下する事もあり、真夏と真冬の温度差は35~37度程度ある事になります。
この様な環境の中で一年中同じ降圧剤で経過をみる事は、軽症の高血圧症の方は勿論、重症の高血症の方でも困難となっています。当院での一例をあげますと、65歳の脳梗塞後遺症の患者さんで、冬の間は降圧剤を3種類服用されていますが、春から夏にかけて徐々に収縮期血圧が100近くまで下降する為3剤を2剤や場合によっては1剤に減量する事を経験します。
最近は家庭血圧測定の重要性を叫ばれ、ほぼ患者さんに浸透しつつありますが、今後季節によって薬を増量や減量する事が一般化すると、益々家庭血圧の重要性が増すものと考えます。