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生活習慣病と食事


脳卒中*の危険因子には、加齢や遺伝的素因など予防が不可能なものと、高血圧症、糖尿病、高脂血症、痛風等の生活習慣病や飲酒、喫煙等の予防が可能な因子があります。後者の予防には、規則正しい生活、正しい食事の取り方、運動療法が重要です。
今回から4回に分けては、上記の予防できる危険因子と食事の関係について述べてみたいと思います。
①高血圧症と食事
高血圧症の定義は、日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」によれば、正常血圧は収縮期血圧が130未満かつ拡張期血圧は85未満で、高血圧症は140以上又は90以上と従来の数値よりきびしいものとなっています。この事は、より厳密に脳卒中や虚血性心疾患の分析をした結果、その有病率が上昇する事例から割り出されたもので、信頼性の高い数値です。
高血圧症の治療は、まず食事療法が基本です。塩分の取り過ぎに注意して、栄養バランスを考え、食べ過ぎや、飲み過ぎに注意をして、ぜひ禁煙もしましょう。具体的には、日本人の平均塩分摂取量は13gです。高血圧症の方はこの摂取量を約半分の6~8g程度に控えましょう。また、塩分の摂取は全てが「塩」からものではなく、加工食品やみそ、醤油、ソース等にも含まれます。この為加工品を控え目に摂取し、味噌汁は1杯/日以下、麺類のつゆも残して下さい。例えば、干し魚より新鮮な魚を選び、塩や醤油を控え目にして、柑橘類、生姜やしそなどの香味野菜やカレー粉や唐辛子を利用してください。野菜や果物には、カリウムを多く含んでいます。カリウムは食塩の主成分のナトリウムと一緒になって体外へ排出させる働きがあります。野菜を毎食しっかり取りましょう。また、果物は糖分に注意をして適量を食べる様にしましょう。牛乳も血圧を下げる効果のあるカリウムやマグネシウムを含んでいます。高脂血症に注意をする意味から、低脂肪牛乳をしっかり取りましょう。

*脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血の総称

 


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