脳動脈瘤の破裂率
- 2009年08月26日
- 院長コラム
脳動脈瘤は主に脳の主幹動脈の分岐部にでき、破裂するとくも膜下出血を起こします。動脈瘤の大きさがどの位になれば破裂するかはまだ充分に解明されてませんが長径が5~7mm大以上で破裂する危険性が高まると考えられています。
脳動脈瘤は解剖や色々な統計から全人口の約5%程度つまり日本では500万人の方が持っておられると考えられています。又年間のくも膜下出血の患者さんの頻度は10万人に対して約20人、つまり日本では1億人に2万人の発症数と言われています。この数と前記の数とは考慮すると500万人に対して2万人が毎年破裂する計算です。つまり1000人で4人=0.4%の破裂率があります。ですからたとえ未破裂脳動脈瘤をMRIで指摘されても1年間で0.4%の破裂率ですから平均寿命に対する患者さんの年齢を考慮して手術が安全か経過観察が安全かをよく考える事が重要です。
また経過観察する場合は喫煙、高血圧症、過度の飲酒が破裂率を高めると言う報告があり注意が必要です。