くも膜下出血
- 2010年04月10日
- 院長コラム
ジャイアンツの木村拓也コーチ(37)がくも膜下出血により急逝されました。脳神経外科の立場から申しますと、一度脳ドックの検査をしていればと思い大変残念でなりません。改めてお悔み申し上げます。
くも膜下出血の原因は、90%以上が脳動脈瘤の破裂によります。破裂していない脳動脈瘤は、頭蓋内に存在していても全く無症状ですので、破裂してくも膜下出血になって初めてその存在や、病気の重大さに気付きます。また、一旦くも膜下出血が起こってからは、例え手術が成功しても社会復帰できる確率は1/3程度で、大変恐ろしい疾患です。まさに史上最強の疾患と言っても言い過ぎではありません。
このくも膜下出血を防ぐ唯一の方法は、脳ドック(MRI)で破裂する前の脳動脈瘤を見つける事です。くも膜下出血の好発年齢は、50~60歳と言われていますが、木村コーチの様に30歳代でも起こりえる疾患です。事実、私が経験した一番若い患者さんは18歳の学生さんでした。
日頃から血圧が高い方、煙草の本数の多い方(動脈瘤の危険因子です)、身内の方に脳卒中のある方、頭痛をお持ちの方は、ぜひ脳ドックを受けられる事をおすすめ致します。