頚動脈の超音波検査
- 2010年07月07日
- 院長コラム
頚動脈に対しての超音波検査(以下エコー検査)で評価をする事は、頚動脈の状態は知り、更に現在の頚動脈を含めた全身の動脈硬化の状態を評価するという意味があります。具体的には、頚動脈が先天的に細い場合や、動脈硬化で細くなっていたり、部分的に動脈壁が厚くなった状態を経時的に非侵襲的(痛みがなく)に検査が可能です。
この動脈硬化の指標として、動脈壁の中膜と内膜の複合体(通称IMT)を測定し、その厚みで病態を評価しています。通常20歳代ではその厚みが0.3mmで10歳年をとる毎に0.1mm増加します。つまり、正常で1mmに達する年齢は90歳という事になります。従って、60歳でIMTが1mm以上ある方は、動脈硬化があると判断します。
更にIMTが1mm以上の場合をプラークと呼んでいます。
最近の治験で、高脂血症の治療薬であるスタチン製剤がこのIMTの肥厚を改善すると言う報告があり注目されています。(検査についての頁を参照してください)