放射線の影響VS生活習慣-計画的避難区域の放射線量とは
- 2011年07月25日
- 院長コラム
原発事故後の放射能について、連日マスコミ報道がなされ世間の注目を集めています。しかし、実際は専門用語が多く本当に心配な事か、ただ話題提供の為の報道なのかよく分からないのが現状です。そこで、7月18日付の西日本新聞に分かりやすい記事がありましたので御紹介致します。
東大病院放射線科中川恵一准教授によると、上図の様に、年間の被曝線量が250ミリシーベルト以上になると、細胞死による確定的影響がはじまり、脱毛や白血球減少や生殖機能の喪失が起こります。年間被曝線量が100ミリシーベルトを超えると癌による死亡率がおよそ0.5%高まる様です。参考までに、計画的避難区域は20ミリシーベルトで、明確に癌発生率上昇程の影響はない様です。また、人体は年間2.4ミリシーベルト(世界平均)の自然放射線にさらされていると言われています。
一方で、生活習慣を不摂生にすると、多量の放射線に被爆した事と同じ様に、体に悪影響を及ぼします。例えば、野菜不足は年間被曝線量が100ミリシーベルトに相当し、癌の死亡率を0.5%高めます。更に、塩分の過剰摂取(7.5g/日以上)では被曝線量が200ミリシーベルトに相当します。運動不足や肥満は400ミリシーベルトに、喫煙や毎日3合以上の飲酒は2000ミリシーベルトに相当し癌で死亡するリスクは2倍になる様です。
従って生活習慣をおろそかにするという事は、原発事故後の発電所の極近くに生活している様な状態で、改善しないといけません。この為には、禁煙し適切な飲酒(1合/日)と野菜を中心とした減塩食を食べ、適度に運動(6000歩/日以上)をする事が大切です。