動脈硬化とは何?
- 2012年05月11日
- 院長コラム
医療機関やテレビ番組などでよく耳にする動脈硬化とはいったいなんでしょう。動脈硬化とは、簡単に言うと血管の老化現象で、加齢と供に全身の血管で起こっています。その中でも特に脳、心臓、大動脈、腎臓等の動脈硬化が重要です。
動脈が硬化した場合、壁が硬く弾力性がなくなり、内腔が細くなり血管がつまりやすくなります。また血管壁がもろくなり破裂しやすくもなります。この状態を顕微鏡レベルで見ると、血管壁の内部構造は、内側から内膜と中膜と血管の筋肉層と外膜の4層構造から成り立っていますが、動脈硬化におちいると、内膜と中膜の間にコレステロール等の脂質が溜まり、血管内腔はせまくなります。
この動脈硬化を進行させる因子は、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病、痛風、喫煙、飲酒などです。また特に、御家族、御親戚の方に脳や心臓疾患の既往症の有る方は注意が必要です。何故なら、上記の後天性の因子以外にもDNAなどの先天性の因子も動脈硬化の進行には関与しているからです。
動脈硬化の進行の指標として、血管年齢を推定する方法があります。具体的な方法は、頚部エコーで上記の血管の内膜と中膜の厚さを足した値から、その血管年齢が分かります。自分の年齢よりも血管年齢が多い場合には注意が必要です。
最後に、動脈硬化の進行を遅らせ、改善させる為に高血圧症等の後天的因子を改善させる以外、内服薬としてEPA製剤を服用する事も大切です。