頭部外傷について
- 2013年01月09日
- 院長コラム
頭部外傷の場合、最初の24時間の観察が大切で、特に急性頭蓋内出血の発症の場合には、外傷直後から4~5時間の間に意識状態に変化をきたします。頭皮下血腫を合併する場合は勿論の事、外観が問題ない場合でも、生命に重大な影響を及ぼす事がありますので、外傷の後で心配な場合は脳神経外科専門医の診察を受ける事をお勧めいたします。頭部外傷は一般的には、転倒しやすい1歳から3歳までの幼児と高齢者に多い特徴が有ります。幼児では3歳まで頭と躯幹とのアンバランスがあり転びやすい様です。頭部外傷後に経過を見る場合には、次の様な事項に注意しましょう。①意識状態はどうか?幼児の場合は不機嫌ではないか?②頭痛はないか?③吐き気や嘔吐はないか?④手足のしびれ感や麻痺はないか?等です。また、当日は出来るだけ安静にして、お風呂へ入る事を控えましょう。脳圧が上昇して吐き気をもよおす事があります。また、アルコールや刺激の強い食べ物も控えましょう。最後に、50歳以上の男性でお酒をたしなまれる方に多い様ですが、外傷後3週間~2ヶ月程度の間に徐々に進む、認知症、運動麻痺、尿失禁が出現した場合は、慢性硬膜下血腫の発症を疑って再度受診して下さい。漢方薬や手術で上記の症状は回復します。一般的に治る認知症と言われています。なお、著者の経験では35歳の女性で、頭部打撲1ヶ月後に慢性硬膜下血腫を発症された方がいますので、50歳以下は大丈夫と言う訳ではないようです。