特殊な片頭痛の治療について
- 2013年02月03日
- 院長コラム
片頭痛とは御高名な寺本純先生のお言葉をお借りすれば「若年期に出現し高齢で軽減する発作性頭痛を示す慢性機能性疾患である」と定義されています。つまり頭痛の始まりは10代前半に(時に8歳頃から)始まり、50歳頃には頭痛は軽減します。従って頭痛は性ホルモンと強い因果関係があるようです。典型的な片頭痛は閃輝暗点(視野の半分がキラキラ光る)発作が20~30分継続、その後徐々に頭痛が起こってきます。ここで注意を要する片頭痛は前兆が視野の異常でなく、片麻痺、めまい、半身のしびれ感等の特殊な前兆がある頭痛です。前兆の原因は仮説の域をでませんが、閃輝暗点の場合は後頭葉表面の動脈が痙縮(痙攣して収縮する)する事で起こると言われています。片麻痺、めまい、しびれ感が前兆の片頭痛は脳の主幹動脈(最重要血管)が痙縮して起こると考えられています。この様な前兆の片頭痛の治療は、この頭痛の特効薬であるトリプタン製剤の処方は禁忌(してはいけない)となっています。何故ならこのトリプタン製剤は血管収縮剤の為、前兆中又は前兆後にこの薬を使用すると痙縮した血管にさらに収縮がおこり、最悪脳梗塞を起こす可能性があるからです。以上注意を要する片頭痛について述べました。