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小児の片頭痛の治療について


片頭痛の痛みのメカニズムは自律神経由来であり、性ホルモンと因果関係があると考えれています。この為、頭痛は思春期頃に発症し、更年期の50歳頃に軽快する方がほとんどの様です。思春期とは、第二次性徴が始まる頃と定義され、多くの子供さんは10歳を過ぎた頃の時期に相当すると思われます。
小児の片頭痛の治療は、痛み止めでも中等度で、妊婦さんでも服用できるカロナール(アセトアミノフェン)を使用します。カロナールはその安全面から優れた薬剤ですが、痛みの強い片頭痛には効果が不十分な場合があります。しかし、一般的に片頭痛の起こり始める思春期は頭痛の程度が軽く、頻度も多くないと言われ、カロナールの鎮痛作用でコントロールは充分と思われます。やがて思春期から性徴が急激に起こり、頭痛の程度や頻度が増加しますと、カロナールで片頭痛を改善する事が困難となり、カロナールより鎮痛作用の強い、ロキソニン、ボルタレン、トリプタン製剤の使用が必要になってきます。
ところで、大人の薬が使える条件は必ずしも年齢でなく体重で考えていく方法があります。一般的に35kg以上の体重で大人の薬の服用が可能になります。なお、思春期始めの男・女児の体重は平均で30kg以下ですが、上記で記した様にこの時期はカロナールで痛みはコントロール出来ます。その後成長に伴い、体重が35kg以上になれば、痛みの程度や頻度、薬の飲む事の利益と不利益を考えて大人の薬へ移行する事も治療の選択の一つと考えています。
 


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