痴呆について
- 2007年09月12日
- 院長コラム
痴呆症とは脳が正常の発達や発育をした後に記銘力が減退して記憶力障害を主体として見当識障害(時、場所、時間がわからない)や知能低下等が起ってくる状態です。
診断には類似の症状を示す疾患の鑑別が必要です。例えばせん妄は高齢者に多く一日の内で意識障害の程度の変化が激しくまた突然起る事で鑑別が可能です。他高齢者のうつ病も同様に症状出現が急で症状の原因(人間関係やストレス)がはっきりしている事多い様です。
痴呆症の原因は全身性及び代謝性疾患のほかに中枢神経が原因の場合アルツハイマー型痴呆症、前頭側頭葉型痴呆症(ピック病等)、脳血管性痴呆症、水頭症、慢性硬膜下血腫等が代表的な疾患としてあげられます。左記の疾患中で水頭症及び慢性硬膜下血腫は手術によって回復が可能な疾患です。アルツハイマー型痴呆症は原因不明で両側海馬~頭頂葉が萎縮する最も頻度の高い痴呆症です。ビック病はやはり原因不明で前頭葉等が萎縮する疾患です。脳血管性痴呆症はビンスワンガー型痴呆症に代表され脳梗塞が大脳半球に起り痴呆症が出現します。痴呆症の場合脳の画像診断及び知能テストで早期診断が可能でその場合は痴呆症の進行をおくらせたりまた極初期の場合は改善する様な内服薬があります。