寿命(親からの恩恵)


5月27日付けの経済新聞によると、健康で長生きする為には親からの遺伝子の働きが25%を占めるようです。しかし、この遺伝子の恩恵は40歳までに使い終わるようです。ですから40歳を過ぎた頃から健康に留意をすればその後の余命も大きく変わると結ばれています。40歳を境に、禁煙、休肝日、運動には特に心がけるようにしましょう。

動脈硬化とは何?


医療機関やテレビ番組などでよく耳にする動脈硬化とはいったいなんでしょう。動脈硬化とは、簡単に言うと血管の老化現象で、加齢と供に全身の血管で起こっています。その中でも特に脳、心臓、大動脈、腎臓等の動脈硬化が重要です。
動脈が硬化した場合、壁が硬く弾力性がなくなり、内腔が細くなり血管がつまりやすくなります。また血管壁がもろくなり破裂しやすくもなります。この状態を顕微鏡レベルで見ると、血管壁の内部構造は、内側から内膜と中膜と血管の筋肉層と外膜の4層構造から成り立っていますが、動脈硬化におちいると、内膜と中膜の間にコレステロール等の脂質が溜まり、血管内腔はせまくなります。
この動脈硬化を進行させる因子は、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病、痛風、喫煙、飲酒などです。また特に、御家族、御親戚の方に脳や心臓疾患の既往症の有る方は注意が必要です。何故なら、上記の後天性の因子以外にもDNAなどの先天性の因子も動脈硬化の進行には関与しているからです。 
動脈硬化の進行の指標として、血管年齢を推定する方法があります。具体的な方法は、頚部エコーで上記の血管の内膜と中膜の厚さを足した値から、その血管年齢が分かります。自分の年齢よりも血管年齢が多い場合には注意が必要です。
最後に、動脈硬化の進行を遅らせ、改善させる為に高血圧症等の後天的因子を改善させる以外、内服薬としてEPA製剤を服用する事も大切です。 

家族みんな健康でいる事が一番幸せ!


病気は、自覚症状が出てからでは遅い場合が多い様です。特に脳の健康状態は外から見ただけでは分かりにくいものです。御家族みんなの健康維持のために、誕生日には脳の検査を受けられる事をお勧め致します。

頭部外傷、けいれん、てんかん


先日、頭部外傷後6年経過した患者さんが意識消失発作の精密検査の目的で来院されました。患者さんは、70歳代の男性で、6年前の交通事故で約2ヵ月間の意識障害があったようです。当院の頭部MRIでは異常はありませんでしたが、外傷以前にてんかんの治療歴はなく、脳波で光刺激の後に、てんかんに特有の棘波(きょくは)=てんかん波を認めた為、外傷性てんかんと診断しました。
外傷が原因のけいれん発作は、受傷直後~24時間までの直後けいれん、受傷1週間から1ヶ月の早期けいれん、受傷1ヶ月以上経過した後に起こる晩期けいれんに分類されます。受傷直後のものは、脳の細胞レベルの電解質の異常や、酸欠状態等の全身障害により起こり、早期に改善し、てんかんへの移行は少ないようです。一方、晩期けいれんは外傷性てんかんに移行する可能性が高いようです。
外傷性てんかんに移行しやすい要因としては、開放性脳挫傷、髄膜炎、今回の患者さんの様に重症頭部外傷(遷延性記憶障害)、早期けいれんがあります。
てんかんの形は全般性発作が多く、部分てんかんは少ないようです。治療は一般的なてんかんに準じて行います。

※けいれんとは、全身あるいは一部分がけいれんする病態で通常脳波やMRIで異常がないもの。
※てんかんとは脳波で異常を認め、けいれん発作を認めるもの。


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脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)の予防・早期診断や脳ドック頭痛外来めまいしびれの症状でお困りの方は広島市中区の山村クリニック(脳神経外科、神経内科、放射線科)へお越し下さい。