診察の待ち時間について
- 2010年11月09日
- クリニック情報
当院では、毎日80~100名の患者さんが受診されていますが、診察の待ち時間を出来るだけ短縮し、診察時間を可能な限り長くする為の工夫をしています。例えば、電子カルテや電子シャーカステンを使用して、職員間での紙のカルテやレントゲンフィルムをなくす事や、診察、理学療法、点滴等の順序を職員全体で臨機応変に対応する事で、診察を可能な限りスムーズに受けて頂くようにしています。
当院では、毎日80~100名の患者さんが受診されていますが、診察の待ち時間を出来るだけ短縮し、診察時間を可能な限り長くする為の工夫をしています。例えば、電子カルテや電子シャーカステンを使用して、職員間での紙のカルテやレントゲンフィルムをなくす事や、診察、理学療法、点滴等の順序を職員全体で臨機応変に対応する事で、診察を可能な限りスムーズに受けて頂くようにしています。
当院では、毎日20名以上の方のMRIやCT検査を行っています。最近立て続けに3人の方の検査結果で、特に印象的で検査の大切さを肝に銘じた経験を致しましたので、個人情報保護法にのっとり差しさわりのない程度にご紹介します。
一人目の方は、脳ドックで来院された30歳代の女性です。自覚症状は目の奥に少し違和感がある程度で、後で眼科へ受診して頂いた結果からも視野も視力にも問題ない方です。MRI検査で視神経交叉(目から6cm程度奥の部位)に1.5cmの良性腫瘍を認めました。画像診断以外のホルモン検査と眼科の検査から異常ない為現在経過を診ています。
二人目の方は、お母さんが以前に脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血で手術をされた30歳代男性の方です。軽い頭痛で来院され、MRA検査で長径5mmほどの未破裂脳動脈瘤が見つかりました。患者さんと相談の上某総合病院脳神経外科で手術を受ける事になりました。
三人目の方は、40歳代の女性で朝から半身の軽いしびれ感と頭痛を自覚され来院。頭部CT検査で小さな脳内出血を認めました。幸いその後出血の拡大はなく、降圧剤で経過観察中です。御家族に脳卒中の方がおられ、御自身も数年間血圧が高い事はご存知でしたが、仕事が忙しく放置されていました。
この様に軽い頭痛症状でも、時に重い病気が隠れている例もあります。我々脳神経外科専門医も、診察室での診察だけでは診断が困難な例があり、改めて画像検査の重要性を再認識した次第です。
生活習慣病の予防や治療は食事療法と運動療法が基本です。これらの治療を充分に行っても、血液検査や血圧の値が不良の場合には薬物療法になります。
運動療法については、決められた方法は有りませんが、最低限度推奨される運動量が解明されはじめています。具体的には、有酸素運動としてしっかりと1日6000歩以上歩く事です。この根拠は、長野県と香川県の人の歩数と生活習慣病(糖尿病等)の罹患率の統計から、長野県の人は平均で6000歩以上歩き有病率が低く、逆に香川県の人では6000歩未満で有病率が高い事がわかりました。
この6000歩をわかりやすく説明すると、歩幅が60~65cmと考え3.6~3.9kmの距離、時間にして40分程度(時速5km)になります。生活習慣病の予防は平素の食事や運動が大切ですので、どうか参考にして下さい。
頚動脈に対しての超音波検査(以下エコー検査)で評価をする事は、頚動脈の状態は知り、更に現在の頚動脈を含めた全身の動脈硬化の状態を評価するという意味があります。具体的には、頚動脈が先天的に細い場合や、動脈硬化で細くなっていたり、部分的に動脈壁が厚くなった状態を経時的に非侵襲的(痛みがなく)に検査が可能です。
この動脈硬化の指標として、動脈壁の中膜と内膜の複合体(通称IMT)を測定し、その厚みで病態を評価しています。通常20歳代ではその厚みが0.3mmで10歳年をとる毎に0.1mm増加します。つまり、正常で1mmに達する年齢は90歳という事になります。従って、60歳でIMTが1mm以上ある方は、動脈硬化があると判断します。
更にIMTが1mm以上の場合をプラークと呼んでいます。
最近の治験で、高脂血症の治療薬であるスタチン製剤がこのIMTの肥厚を改善すると言う報告があり注目されています。(検査についての頁を参照してください)