昨日はびっくりしました。あなたの旦那様は大丈夫ですか?


一般的には、くも膜下出血は女性に多い疾患と言われています。しかし、一方では働き盛りの男性の重要な疾患として、昔からよく知られています。
実は、昨日知人の知り合いの43歳の男性が、くも膜下出血で倒れられた様です。容態は、重症で予断を許さない状態の様です。ご家族は奥様とまだ幼い2人の子供さんがおられます。知人の話では、その方は営業の第一線でご活躍されており、会社の検診では、高血圧症が少しあり、頭痛もなく、日頃からアルコールの量も多かったみたいです。また、その方の口癖は、体には自信があると日頃から周囲に豪語されていた様です。
この様な方のお話をお聞きするたびに、脳の検診の重要性を再確認する毎日ですが、「倒れてからでは遅い」と一方では声を大にして言いたいです。特に男性は、私も含めて恐がりで、自分に限っては大丈夫と思いがちです。脳の精密検査は決して恐くなく、痛くもない検査です。「脳の検診で、幸福な家庭を崩壊から救えると思えば簡単な事ではないか」と皆さんに再認識して頂きたいと強く思った昨日でした。

 

診察の待ち時間について


当院では、毎日80~100名の患者さんが受診されていますが、診察の待ち時間を出来るだけ短縮し、診察時間を可能な限り長くする為の工夫をしています。例えば、電子カルテや電子シャーカステンを使用して、職員間での紙のカルテやレントゲンフィルムをなくす事や、診察、理学療法、点滴等の順序を職員全体で臨機応変に対応する事で、診察を可能な限りスムーズに受けて頂くようにしています。

たかが頭痛されど頭痛


当院では、毎日20名以上の方のMRIやCT検査を行っています。最近立て続けに3人の方の検査結果で、特に印象的で検査の大切さを肝に銘じた経験を致しましたので、個人情報保護法にのっとり差しさわりのない程度にご紹介します。
一人目の方は、脳ドックで来院された30歳代の女性です。自覚症状は目の奥に少し違和感がある程度で、後で眼科へ受診して頂いた結果からも視野も視力にも問題ない方です。MRI検査で視神経交叉(目から6cm程度奥の部位)に1.5cmの良性腫瘍を認めました。画像診断以外のホルモン検査と眼科の検査から異常ない為現在経過を診ています。
二人目の方は、お母さんが以前に脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血で手術をされた30歳代男性の方です。軽い頭痛で来院され、MRA検査で長径5mmほどの未破裂脳動脈瘤が見つかりました。患者さんと相談の上某総合病院脳神経外科で手術を受ける事になりました。
三人目の方は、40歳代の女性で朝から半身の軽いしびれ感と頭痛を自覚され来院。頭部CT検査で小さな脳内出血を認めました。幸いその後出血の拡大はなく、降圧剤で経過観察中です。御家族に脳卒中の方がおられ、御自身も数年間血圧が高い事はご存知でしたが、仕事が忙しく放置されていました。
この様に軽い頭痛症状でも、時に重い病気が隠れている例もあります。我々脳神経外科専門医も、診察室での診察だけでは診断が困難な例があり、改めて画像検査の重要性を再認識した次第です。

 

生活習慣病と運動


生活習慣病の予防や治療は食事療法と運動療法が基本です。これらの治療を充分に行っても、血液検査や血圧の値が不良の場合には薬物療法になります。
運動療法については、決められた方法は有りませんが、最低限度推奨される運動量が解明されはじめています。具体的には、有酸素運動としてしっかりと1日6000歩以上歩く事です。この根拠は、長野県と香川県の人の歩数と生活習慣病(糖尿病等)の罹患率の統計から、長野県の人は平均で6000歩以上歩き有病率が低く、逆に香川県の人では6000歩未満で有病率が高い事がわかりました。
この6000歩をわかりやすく説明すると、歩幅が60~65cmと考え3.6~3.9kmの距離、時間にして40分程度(時速5km)になります。生活習慣病の予防は平素の食事や運動が大切ですので、どうか参考にして下さい。

 


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脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)の予防・早期診断や脳ドック頭痛外来めまいしびれの症状でお困りの方は広島市中区の山村クリニック(脳神経外科、神経内科、放射線科)へお越し下さい。