慢性頭痛
- 2009年03月17日
- 院長コラム
- 慢性頭痛にタイプがあるのか?
慢性頭痛の方は日本で3000万人、そのうちの22%は緊張型頭痛で、8%片頭痛です。 - 片頭痛の症状と原因は?
症状:激しい頭痛と時には嘔吐が加わります。頭痛は、日常生活に支障をきたす程で持続時間は数時間から3日間も継続するタイプもあります。頭痛の発作中は光刺激、音刺激、臭い刺激で痛みが増強します。また、前兆を伴うタイプでは頭痛の20から30分程度前に視野の一部分にキラキラする稲光が出現する閃輝性暗点が出現したり、頭痛発作が起こりそうな漠然とした予兆を訴えるタイプもあります。一般的に、頭痛の際に首を振る事が痛みの為に困難な場合には片頭痛と考えて良いと思います。また片頭痛は後で述べますが、ホルモンのバランスとも関係があります。患者さんの男女比は1:3です。好発年齢は10歳代から60歳代までの病気と考えられていますが、平均寿命の延長でその好発年齢も高齢化している様です。
原因:なんらかのきっかけで、例えばストレスからの開放(試験の後等)、飲酒、旅行、女性の場合では生理前後のエストロゲンの減少といったホルモンの変化があり、三叉神経から痛みの物質である神経ペプチドが、硬膜の血管に放出されて硬膜の血管に拡張と炎症が起こり、痛覚刺激が脳に伝わり片頭痛となります。頭痛が強い場合は延髄の嘔吐中枢を刺激して嘔吐が起こります。 - MRI検査で片頭痛の兆候等はわかるのでしょうか?
片頭痛はMRIで異常なく、緊張型頭痛と共に機能性頭痛と呼ばれるものです。その他の頭痛、例えばクモ膜下出血や脳腫瘍、脳膿瘍等の感染症等の器質性頭痛との鑑別診断として有効です。 - 緊張型頭痛の症状と原因は?
症状:頭痛は後頭部やコメカミ痛が多く、キリキリする痛み、頭重感、締めつけらえると表現されます。痛みはひどい場合には吐き気をきたすこともありますが、嘔吐はなく一般的に日常生活に支障を来たす程ではありません。
原因:肩こりや首凝りからの神経痛です。 - 片頭痛の対処法は?(患部を冷やす)
治療はまず、内服薬で頭痛を和らげることから始めます。痛み止めは、副作用の少ない市販薬から開始して、効果が有れば継続して下さい。効果がない場合は、医師処方の消炎鎮痛剤を試して頂きます。更に片頭痛の特効薬のトリプタン製剤へと症状と患者さんの年齢に応じて使い分けます。効果が強い薬は、副作用も注意が必要な為、医師の指示で服用をお願いします。いずれの場合でも痛み止めの服用は飲むタイミングが大切で前兆の時に飲むことが重要です。一般的に、片頭痛は最大限一ヶ月間に8回程度までのため薬を飲みすぎで起こる薬剤乱用性頭痛(月に10日間以上服用の場合起こる)にはなりません。また、随伴する悪心や嘔吐も制吐剤で対処します。
なお、片頭痛の頻度を減少させる予防薬を服用する事で頻度を減少される事も可能です。
また、片頭痛は血管の拡張が原因ですので頭部を冷水で冷やすと気分が良いといわれる患者さんもおられます。 - 緊張型頭痛の対処法は?(首周りを温める)
頭は成人で約4kgあり、これは一升瓶2本に相当する重さです。これだけ重いものを支えている為、頭痛の患者さんは、首の細長い女性が多い様です。まず、姿勢を正すことから始めます。また早朝に痛い場合は枕が高すぎるか、硬すぎる事も考えれます。補助的に筋弛緩薬を短期間使用するのも良いでしょう。また、歩行中の姿勢を正す様に、本を上に載せて歩く等の練習も役に立ちます。低血圧症、貧血症も頭痛を起こりやすくするので、無理なダイエットはしない様にしましょう。ストレスとの因果関係があると言われておりストレスをかけない事も重要です。