患者さんの声の欄に新しい記事を掲載しました。
- 2015年02月04日
- クリニック情報
HPの患者さんの声の欄に新しい記事を掲載しました。大変ありがとうございます。皆様が当院を受診される際の御参考になれば幸いと思います。
HPの患者さんの声の欄に新しい記事を掲載しました。大変ありがとうございます。皆様が当院を受診される際の御参考になれば幸いと思います。
クリニックで高血圧症の勉強会を行いました。当日は参加者は多くありませんでしたが、会の後半で日頃皆様が疑問に思われている事に対して御説明できる機会を持つ事が出来、充実した会になりました。以下勉強会の内容を①管理栄養士②薬剤師③医師の順番で記載します。
管理栄養士の説明のポイント
高血圧の食事療法のポイントは大きく分けて、①~③の3つのポイントがあります。
①適正体重の維持とエネルギーコントロール
●適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
現在の体重と比較して、太りすぎの場合はエネルギーコントロールが必要です。
例)身長が160cmの方の適正体重は1.6X1.6X22=56.3kg
●1日の適正エネルギー(kcal)=標準体重1)×身体活動量2)
1)標準体重=身長(m)×身長(m)×22
2)軽労働:25~30,中労働:30~35,重労働:30以上
例)56kgの人で軽作業25の人は56X25=1400kcal
②1日6g未満を目標に減塩(Step1~Step4)
●Step1:引き算感覚でまず“減塩”
食品の塩分量を知り、食塩を多く含むものを減らしたり除くことからはじめましょう。
※食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1,000
例)食品の栄養成分表示を見て100gあたりナトリウムが168mgとすると
食塩相当量は168×2.54÷1,000=0.4gになります。
●Step2:料理を工夫して“減塩”
・鮮度のよい食品や旬のものを用いて、素材そのものの味を楽しむ
・食材・調理法で薄味をカバー
・調味料は計量して使う
・素材の中に味をしみ込ませるよりも素材の表面に適度な味が付いている料理
・市販食品、加工食品の使いすぎは避ける
●Step3:汁物で“減塩”
一般的に、みそ汁を「飲む」から具を多くして「食べる」に意識を変えてみましょう。
●Step4:味にメリハリをつけてストレス軽減
1品だけを“少量”好みの味のものを添えたり、主菜にはしっかりした味付けをして副菜は少し塩分を控えるようにするなど一食の中でも味にメリハリをつけ、単調な味付けにならないように工夫しましょう。レモンの酸味を利用して減塩してみても良いでしょう。
③カリウムを十分にとる
野菜や果物、いも類、海藻類に含まれているカリウムは、ナトリウムを体外に排泄して、血圧の上昇を防ぐ働きがあるため、献立に取り入れてバランスのよい食事にしましょう。
薬剤師の説明のポイント
高血圧の薬物治療について
①高血圧を放置することで、「動脈硬化」が進み「心臓病(狭心症、心筋梗塞)、脳卒中」を発症する確率が高まり、死に至ることもあるので、「血圧が高い」と言われたら治療を開始しましょう。高齢者の高血圧症で薬を服用している場合、服用しない場合に比べて、脳卒中の死亡率が36%減少し、心筋梗塞や狭心症の死亡率が25%減少した報告があります。更に高血圧症の治療で「認知症」も予防できることがわかっています。
②血圧は、年齢や疾患(糖尿病、慢性腎臓病など)によって降圧目標の値が変わってきますので、適正な血圧を知って治療を行いましょう。
③薬で治療をされていても降圧目標を達成できている方は約3割との報告があり、1種類で目標値に達成できない場合は、2種類以上の薬を飲む場合があります。最近では、合剤(ごうざい)と呼ばれる2種類の成分が1錠になった薬が多く発売されるようになり、治療効果が高まっています。
④最後に、「お薬を頼もしい味方と考え、前向きに続けていきましょう」、「血圧が下がっても自己判断で勝手に薬を止めたり、減らしたりしないようにしましょう」の2点をお伝えしました。
医師の説明のポイント
①高血圧症とは血圧が高い状態が続いてしまう病気です。目だった症状はありませんが、高い血圧が続くと脳血管や心臓にダメージを与えます。
②高血圧症の原因の90%以上は生活習慣や遺伝が関係しています。塩分の取りすぎや過労、ストレスでも血圧を上昇させます。
③適正は血圧の値を知る事や自宅での血圧測定の方法をマスターしましょう。また季節で血圧の変化する事や肥満解消で血圧が改善する事も知りましょう。
平均寿命で読み取れる様に男性と女性の平均寿命は約7歳つまり10%程度男性が短命です。その原因について様々の要因が考えられますが、その一つに男性は遮二無二働き、そのストレスを飲酒や過食や喫煙で発散した結果、生活習慣病を引き起す事が挙げられます。またここだけの話ですが、男性の方は女性に比べて幼い頃から恐がりで、意気地なしで脳や心臓等の生命に関わる病気の検査を受けない事も原因のひとつではないでしょうか。実際病院の検査でも3歳になっても泣いてCT検査が出来ないのは殆ど男児です。また昨年1年間で当院(脳神経外科)へ受診される方の約65%は女性で35%が男性です。深刻な状況でも女性は一人で病院に来られますが、既婚者の男性は殆ど奥様同伴で来院され、診察室に一緒に入られる方もおられます。この様に男性は子供の頃から、気が弱く、しかもストレス社会にただよい生活しています。 ここで強調したいのは、統計学的にも男性は短命で病気にかかりやすい為、日頃から女性以上に健康管理が必要であるという事です。脳卒中になってからでは遅いです。男性の周りの女性が、その点を肝に銘じて積極的に脳の検査を勧めましょう。
昨日の日経新聞で2010年の都道府県別の平均寿命(全国平均:男性79.5歳 女性86.3歳)が発表されました。その結果、長野県の男性が80.8歳、女性が87.1歳でともにトップでした。青森県が男女ともに最下位で男性が78.2歳、女性85.9歳でした。これは寒い地方の為、塩分接取量が多い可能性があります。また以前は最長寿県の代名詞とされた沖縄県は女性が初めてトップから3位へ転落しました。また男性の平均寿命79.4歳で随分前にトップから転落し、いまや全国平均値を下回る状態です。同紙では沖縄県は若い世代になるにつれ死亡率が悪化してるとの事です。この事は以前からの指摘通り沖縄県は戦後食事が欧米流となりジャンクフードの摂取率が高くなり、伝統的に接取していた海産物を主体とする食事内容が大きく変化した事が影響している様です。なお長野県の平均寿命が高いのは他県より歩く距離が長い事(6000歩/日)が良い結果になったと考えられています。
以上の結果から読み取れる事は、塩分控え目の和食中心の食事を接取し、1日6000歩程度歩く事が長寿に結びつくものと考えます。