患者さんからのよくある質問を紹介します。
質問部分をクリックすると、質問の答えが表示されます。
- 眼科で視神経萎縮と言われました。以前交通事故にあいました。
何か関係がありますか? - 視神経萎縮は、直接炎症や外力により萎縮する1次性視神経萎縮と、うっ血乳頭の後遺症として起こる2次性視神経萎縮に分類されます。外傷と関係する1次性視神経萎縮の原因は視神経管骨折で直接視神経を圧迫変形する事で起こります。2次性視神経萎縮は、頭蓋内出血による頭蓋内圧亢進によるうっ血乳頭から起こります。交通事故の際に、上記の視神経管骨折や頭蓋内出血がない場合は関係ありません。
- 腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の手術適応は?
- 腰の骨は体の全体重を支える要で、加齢と供に徐々に変性していきます。この為腰痛や足のしびれ感等の症状は日常診療でよく相談を受けます。この中で手術適応となる症例は、薬物療法や理学療法を行っても100mの歩行が困難か、尿失禁がある例になります。
- 片頭痛があります。妊娠しても大丈夫ですか?
- 片頭痛は最近の薬の進歩により、今まで日常生活に支障があった方もより快適な生活を送れる様になってきました。しかし、消炎鎮痛剤やトリプタン製剤(片 頭痛の特効薬)は、一部の例外を除いて胎児に重大な副作用を引き起こす事から服用してはいけない事になっていますが、妊娠中は、ホルモンバランスが安定 し片頭痛は起こりませんので、どうぞ安心して下さい。
- 夏に脳梗塞の危険性は高まりますか?
- 今年の夏の様な、気温が体温を上回る気候では脱水になりやすく、また血圧も低下する為、脳梗塞になる危険性が高まります。具体的には、気温が上昇すると体 温を下げ様と体が働き、発汗や手足の血管をひろげて血液を冷却させようと働きます。この為、脱水状態になり、血圧もさがり、血液の粘稠度が上昇する事から 脳の血管がつまりやすくなり、脳梗塞を引き起こします。
- パーキンソン病はMRIやCTでわかりますか?
- パーキンソン病は狭義のパーキンソン病と、脳梗塞等の脳血管障害に合併して出現するパーキンソン症候群に分かれます。狭義のパーキンソン病は純然 たる運動機能障害を主体する病気であり、画像所見は正常です。診断の決め手は、振戦や歩行障害等の臨床症状とパーキンソン病の治療薬で改善する事で確定 診断をします。
- 予約なしで、診察にいっていいですか?
- 当院では、診察の予約はありません。直接クリニックを受診して下さい。MRI検査は、あらかじめ予約されてもかまいません。頭痛でお悩みの方や、少しでも不安をお持ちの方は、安心して受診して下さい。
- 圧迫骨折のときに腰にコルセットをする理由は何故ですか?しんどいです。
- 腰椎すべり症や圧迫骨折等でコルセットをする目的には、大きく2つの要素があります。まず第一に患部の保温です。腰等の末梢部は冷える事で痛みが増しますので、その予防のために行います。第二にコルセットを巻き、ある程度締付ける事で皮下組織や筋肉に緊張感を与える事で体重を支える事が可能で、結果として骨に対する加重を軽減するためです。
- 将来認知症になる事が恐いので、食事で注意をする事がありますか?
- 認知症の予防には、積極的な精神活動、運動、生活習慣病の予防、禁煙等の他に、食事の内容によりある程度予防できる事がわかっています。予防の為に積極的に摂取をした方が良い食品は、魚、牛乳、野菜、キノコ類、海草類などです(大塚、2005)。
- 枕の高さに決まりはありますか?
- 枕の高さが合わないと、肩こりや首こりや頭痛の原因になります。理想的な枕の高さは、横に寝た時に背筋から頭の先を結ぶ線がほぼ直線になる様な枕を選びます。また枕の硬さは、出来るだけ柔らかい物が理想で、頭がすっぽりと埋まる様な固さが良い様です。具体的には横に寝て頭が沈んだ状態で、枕の高さが20~25cmの高さとなります。
- 血液をサラサラにする薬を飲んでいますが、ケガが恐いです。大丈夫でしょうか?
- 血液をサラサラにする薬を、抗血小板剤と呼びます。ケガで出血があった場合、普段よりは血が止まりにくい状態になりますが、例えば指のケガ等の場合、しっかりと出血部位を5分間程押さえると止まります。また、大きな出血の場合は、医療機関で電気メス等の器具を使用すれば、出血をコントロールする事ができますので大丈夫です。 なお白内障の手術や、胃カメラの検査で胃壁の細胞検査をする場合は、抗血小板剤の種類により決まっている日数の間、薬を休薬すれば問題なく治療や検査が可能です。
- 高脂血症と診断されました。薬を飲む必要がありますか?
- 高脂血症の基準値は、一般的に厳し過ぎる様です。総コレステロール値が240以上の場合、心筋梗塞や脳梗塞の罹患率が上昇する様です。このため高脂血症と診断をされた場合は、まず食事療法及び運動療法で低下される努力をして下さい。もし、総コレステロール値が240以下に下がらない場合に薬物療法になります。
- 高血圧症で薬を服用中です。今血圧は良いですが、脈拍が92/分と多いです。大丈夫ですか?
- 脈拍と死亡率の関係では、脈拍数が60台/分が最も低く、90台/分以上が最も高いと報告されています。一方、降圧剤(血圧を下げる薬)の中には、血圧を下げる機序に様々なものがあります。血圧を下げ、なおかつ脈拍を下げる働きのある薬に変更して頂く様に主治医にお願いして下さい。
- 血圧を測定すると、最初が130台と低く、2回目160台が高いのですが、どれが本当の血圧でしょうか?
- 血圧は、様々な因子によって左右されます。例えば、緊張したり、興奮したり、寝不足で高くなることが知られています。また、気温が高い夏などは下がります。血圧測定も、特に御自分で測定される場合、その時の精神状態で変動する事がよくあります。一般的には、一番最初の血圧が高く段々測定する事に慣れて下がってきますが、これも一定している事ではありません。どの血圧が本当の血圧かは、一番低い値が本当の様です。
- 激しい咳が続いたり、力むと頭痛がする事があります。どうしてですか?
- 激しい咳や力んだりすると、喉の筋肉が緊張収縮します。その結果、脳から心臓に間断なく戻る頚静脈の流れが悪くなり、頭蓋内の脳血流量が増加し最終的に頭蓋内圧の上昇が起こります。この為、脳全体の体積が膨張することでそれを被っている硬膜が伸展し、硬膜にある三叉神経を刺激する結果となり頭痛が起こります。
- 高血圧症に加えて軽度の腎機能障害があると言われました。どうしたらよいでしょう?
- 高血圧症と腎機能障害はいわば双方に因果関係が強く、血圧が高い為に腎臓をいため、その為にまた血圧が上昇する悪循環を引き起こしています。そこで、最近発売された降圧剤の中に、腎機能障害を改善させながら血圧を下げる画期的とも言える薬が登場しました。一度お試し下さい。
- 睡眠薬や安定剤を飲むとボケるでしょうか?
- 結論はボケません。ボケると言う言葉は最近は使わずに、認知症(機能障害)と呼びます。認知症は古い記憶は残っていても、新しい事が憶えなれない状態を言います。睡眠剤や安定剤を服用する人の中に、薬に敏感で、一時的に興奮状態や、逆にもうろうとした丁度お酒を飲んだ後の酩酊状態になる方がおられます。この状態の原因は薬の副作用ですが、決して永久に症状が継続するわけではありません。薬を服用する事を止めれば元の状態に戻ります。またこの様な副作用も、別の睡眠薬に変えると通常は問題は解決します。
※睡眠薬や安定剤よりも、毎日の深酒の方が脳にとっては悪影響を及ぼします。 - 日に5リットル水を飲みなさいと人に言われました。本当でしょうか?
- 人が1日に必要な水分量は一般的には、体の表面から蒸発する水分量800cc+αといわれています。入院中の患者さんの点滴量は1500cc/日が目安です。この1500ccは、室内の温度も快適で、寝ている状態の必要最小限の量です。また、我々が毎日の食事(御飯やおかず)の中にも相当量の水分が含まれています。従って、1日の水分補給量は、季節や食事内容でも大きく変わってきます。この為、一日5リットルの水分補給は問題があると思われます。何故なら、過度の水分補給は体内の電解質異常を起こし、筋肉の痙攣の原因となります。また実際にあった話ですが、スポーツドリンクで水分補給を行った患者さんが、ドリンク内の糖分を取り過ぎて糖尿病になられたケースもあります。
私の師匠のK先生のお言葉では「人間は世界最高のコンピューターなので、喉が渇いた時に充分に水分を摂取すれば脱水にはなりません。」と常々おっしゃっていました。この言葉の様に、水分量を決めずに自然体で生活をされる事が一番と考えます。
-追記:K先生も寝る前にはお水を一杯飲まれているそうです。 - 抗血小板剤(血液をサラサラにする薬)を友達にすすめられました。必要でしょうか?
- 全ての薬には、作用と副作用があります。副作用よりも作用が重要と考えられる場合に薬が処方されます。同じ様に抗血小板剤を処方する際にもその必要性と副作用を考慮します。当院での投薬開始の基準は、ある一定以上の大きさの脳梗塞の方や脳の主な動脈が狭くなっていたり、つまっている方に抗血小板剤を処方しています。
- 血圧が、左右の腕で差があります。心配です。
- 血圧は、その時の体調、緊張の程度や、興奮して話をしているだけでも上昇します。このため、同じ腕の測定でも、測定のたびに厳密には血圧の値が異なります。一般的に、御自身で血圧を測定する場合、3回連続して測定すれば、1回目が一番高く、3回目が一番低くなる傾向です。従って、左右の腕の血圧にある程度差がある場合でも、心配は要りません。しかし、収縮期血圧(上の血圧)の左右差が20mmHg以上の場合は、病的と考えられています。原因としては、腕に栄養を送る鎖骨下動脈等が狭くなっている可能性があります。その様な場合は御相談下さい。
追記ー血圧測定は、朝や寝る前の比較的精神的にも肉体的にも安静な時に測定をする事が大切です。 - 上の血圧と下の血圧の値の差が少ないですが、大丈夫ですか?
- 上の血圧を収縮期血圧、下の血圧を拡張期血圧と言い、その差を脈圧と言います。脈圧について、それ程問題ではなく血圧の絶対値が問題となります。2009年の高血圧症治療ガイドラインによれば正常血圧は130以下、85以下です。ちなみに、高血圧症の定義は収縮期血圧が140以上か拡張期血圧が90以上と定義されています。
- MRI検査を受けたいのですが、受ける事が出来ない場合がありますか?
- MRI検査で受ける事が出来ないケースとしては、心臓のペースメーカー(体内電機部品)、一部の脳動脈瘤クリップ、目の中の鉄片(失明例有り)、入墨(やけどの可能性)などです。ほかに人工内耳も無理の様です。歯のインプラントはその範囲により撮影が出来ない場合があります。冠動脈や頚動脈のステントは組織融合(術後6週間以上)していれば大丈夫です。
- クリニックの場所の説明を教えて下さい。
- クリニックの住所は中区紙屋町2丁目2番地6号の紙屋町イワミビルの3階です。
(1)車で来られる場合
お車で来られる場合は契 約駐車場が2箇所あります。県民文化センターの地下駐車場か、その西隣の大手町中央駐車場に止めて下さい。クリニックの位置は駐車場の前の道を東(デオデ オ側)に向かって頂きサンモールを通り抜けた直ぐ左手のビルになります。ビルの一階の洋服屋(日本とアメリカの国旗がかかげてある)さんが目印です。その 3階になります。
なお、駐車券を見せて頂くと1時間の無料チケットをお渡し致します。
(2)バスセンターか地下鉄の場合
地下道を本通りに向かって頂き南3番出口を上がった直ぐのビルです。目印は1階にケンタッキーフライドチキンのあるビルの右隣のビルです。一階の洋服屋さんが目印で、その3階になります。
(3)本通りやその周辺のバス停から
鯉城(電車)通りをそごうに向かって電車道の左側になります。本通より北側で目印は1階にケンタッキーフライドチキンのあるビルの北隣のビルです。一階の洋服屋さんが目印で、その3階になります。 - 授乳ですが、頭痛薬等の痛み止めを飲んでも大丈夫ですか?
- 授乳中でも妊娠中でも一般的には極力薬を飲む事を控えて下さい。片頭痛等痛みが強い場合には、服用が可能な内服薬がありますので必ず医師に確認をしてから処方をお願いして下さい。
- 血圧が高いと脳卒中になりやすいのですか?
- 様々の大規模臨床解析で証明されていますが、血圧が140/90以上になると脳卒中の罹患率は上昇します。日頃から血圧の管理が大切です。
- 普段は血圧が高くないのですが、最近夜ぐっすり寝れなくて血圧が上がってきています。心配です。
- 不眠症になると自律神経が過敏状態になり血圧が上昇するようです。実際に睡眠導入剤を服用する事で、それ以前の高血圧症が改善をした報告例があります。
- 頭の中に、カーッと熱いものが流れる感じです。血圧が高いのでしょうか?
- 血圧が高い或いは低いことは自律神経の支配の為、自覚症状はありません。非常に稀な例として高血圧性脳症という状態があります。この状態は、収縮期の血圧が230程度の状態が数日間持続し、血圧が高すぎる為に結果的に脳浮腫(脳が腫れること)が起こり、頭痛を自覚するものです。また、脳の中には痛みを自覚する神経はなく、頭蓋内の限られた大血管に痛みを自覚する神経が存在します。従ってカーッと熱いものを自覚することは、肩こり等が原因で脳の表面に存在する三叉神経が刺激されて自覚するものと推定します。
- 頭痛で、痛い場所が変わります。心配です。
- 頭痛の種類には、筋緊張型頭痛、片頭痛等の機能性の頭痛と脳出血、クモ膜下出血や脳腫瘍等が原因の器質性頭痛に別れます。一般的に痛みの場所が変わる頭痛は、肩こりが原因の筋緊張型頭痛と考えます。頻繁に痛みがあって不安な場合は一度、問診、投薬、治療をしてもらう事をおすすめします。
- 血圧は季節により変動するのは何故ですか?また夏に血圧は下がりますか?
- 夏になると、外気温が上昇する為に、体温も上昇します。冬になると気温とともに体温が下がります。夏には、体温の上昇を防ぐ為に、手足等の末消の動脈が拡張し手足から熱を放出する働きをします。この為相対的に心臓に戻ってくる血液量が減少し血圧が下がります。冬はそれとは逆に血圧は夏よりも上昇傾向にあります。