定期的な通院は、抵抗感がありついつい、おっくうになりがちなものです。特に御自身に全く自覚症状のない方は、家事や仕事に追われ、時間の制約からクリニックへ足が遠のくことが多いと思います。
しかし、病気は知らず知らずのうちに進行するものです。調子が良い事と、病気が進行する事は決してイクオールではありません。特に当院で通院の必要性を説明された場合は、専門医の医療機関で定期的に通院をされる事をお勧めいたします。
一度足が遠のき行き難いと思われる事は間違っています。当院は、いつでもウエルカムです。受診しようとした今からがとても大切です。また継続することもなお大切です。その訳は、脳の病気は内服薬の服用継続も大切ですが、それだけでは本当に充分効果的な治療とはいえません。それ以外に血圧、血糖値、コレステロール値等が関係し、特に血圧のコントロールがとても重要になります。脳神経外科=高血圧科といって良いでしょう。より効果的な治療には日々の睡眠や食事、季節等で様々に変化する血圧に対応する加療を継続する事が大切です。
最後に今まで多くの方が当院へ受診され、治療の継続の必要性を御説明した後に、色々な理由で治療中断に到った方が何人かおかれます。先日も当分の間受診がなく、その後脳梗塞が悪化され受診されたとても残念な方がおられました。卒中発作が起こってからでは回復は困難です。どうか、御本人の為、御家族の為に定期的な通院が、今後の日常生活の一部となる様に生活スタイルを考えて見られては如何でしょうか。
何度も繰り返しになりますが、脳卒中の発作は起こってからでは遅いのです。定期検査は、その事を予防する大切な検査です。頭の検査をして異常がない事は、その時点での脳の状態を示しています。年齢を重ね、特に御家族、御親族に脳卒中や心筋梗塞の方がおられたり、高血圧症、糖尿病、コレステロール値の高い人は、日々脳の状態に変化が起こっていると考えて良いでしょう。巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏や田中角栄元総理の様になってからでは手遅れです。60歳以上の方で心当たりの方は、毎年、脳の健診を受けるようにして下さい。