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頭蓋内の構造

 脳は、最も重要な部位の為、それを保護する構造もしっかりとしています。脳を保護するものとして、外側より頭皮、頭蓋骨、硬膜、クモ膜、軟膜で構成されています。
 また脳は、大きくわけて大脳、小脳、脳幹から成り立っています。大脳はものを考えたり、手足を動かしたり、言葉をしゃべる部位です。小脳は体のバランスをとる部位で、脳幹はさらに中脳、橋、延髄にわかれ呼吸や心臓を動かす生命維持装置と考えられています。
 その他、脳梁は左右の大脳を連絡する神経線維の束で、下垂体は視床下部からの命令でホルモンを分泌します。脳弓は、側頭葉の海馬と並んで記憶や自律神経に関与しています。視床と視床下部を総称して間脳と呼び、体温調節中枢や食欲中枢などが存在します。松果体はホルモン(メラトニン=概日リズムを調整する)を分泌しています。

脳脊髄液の産生と排出経路

 脳脊髄液(以下髄液)は、無色透明のキラキラとしたとても綺麗な液体で、その働きはまだ不明な部分があります。
 頭蓋内では丁度赤ちゃんがお母さんの子宮内でプカプカと浮いている様に、髄液の中で脳はプカプカと浮いていて、脳を保護しています。
 この髄液の産生は、脈絡叢から一日500cc産生され、第3脳室、第4脳室から出て、脊髄の前方から下降し脊髄腔下端までおり、再び上昇し頭蓋内へ入り、脳表を通り最後に上矢状洞のクモ膜顆粒から吸収されます。

頭蓋骨

 頭蓋骨は15種類の骨で構成されています。
 前頭骨、頭頂骨、側頭骨、後頭骨が脳を被う骨です。それぞれの骨は、縫合線よって結合されています。
 他に顔面を構成する骨として、目の凹みの中に蝶形骨、篩骨、涙骨があり、鼻を構成する鼻骨、下鼻甲介、鋤骨、頬を構成する頬骨、口腔を構成する上顎骨、口蓋骨、下顎骨、舌骨があります。

大脳について

大脳を外側からみた図です。大脳は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉にわかれます。

前頭葉

前頭葉連合 知性、記憶、判断、感情、思考、創造等の高次機能に関連した部位です。
前頭葉眼球注視中枢 両眼を同一方向に向ける中枢です。
前運動野 後方の運動野と協調して運動の調節に関与しています。
運動野(一次運動野) 顔、手、体幹、足の運動をつかさどる中枢です。
ブローカ野 運動性言語中枢と呼ばれ、障害が起こると失語症になります。

頭頂葉

体性感覚野 手、足、体幹の感覚の中枢です。温痛覚や触覚の最高中枢です。
頭頂連合野(縁上回+角回) 視覚野や感覚性言語野等と密な関係にあり、それらの情報を統合する場所。
また優位半球(右ききでは、左大脳)の角回単独の 障害ではゲルストマン症候群(失算症、失書症、手指失認、左右失認)が、 非優位半球では空間失認や着衣失行が起こります。

側頭葉

聴覚野 聴覚の中枢で音や言葉をそれぞれ理解する中枢。
ウエルニッケ野 感覚性言語中枢で障害される日本語が理解不能な音として聞こえます。
側頭連合野 聴覚と視覚の情報を統合して、音楽や画像を認識する。
海馬 側頭葉最内側に左右1つずつあります。
記憶の中枢で両側の障害で認知症になります。
また一過性全健忘症の原因部位です。

後頭葉

視覚野 視覚中枢です。網膜の光刺激から色、形、動き、明るさ等を感じます。

脳を栄養する血管

 脳を栄養する血管は、左右の総頚動脈から分岐する左右の内頚動脈と左右の椎骨動脈が一本に合流して形成する脳底動脈から栄養を受けます。
 これらの血管は通常頭蓋骨の底部で交通(ウィリス動脈輪)を形成し1本の血管がつまっても、他で補える様に分布しています。

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