「脳神経外科は敷居が高い、怖い」とか、「気になることはあるけど大したことないだろう」という理由で、つい受診を後回しにしてしまうことがあるかもしれません。しかし、病気を克服する大きなポイントは”早期発見・早期治療”。上記の項目のような症状が必ずしも脳疾患であるとは限りませんが、少しでも「おかしいな?」と感じる点があれば、どうぞご来院ください。
どちらのケースも最初の頭痛で病院を受診していれば早期発見でき、大事に到らずすんでいます。片頭痛をかかえている人でも、いつもの頭痛と少し違うなと感じたら、すぐ病院を受診ください。
※ケースはあくまでも、事例の一部です。
Aさんは40代。毎日精力的に仕事をしている猛烈サラリーマンでした。ある朝、目が覚めたときに頭痛と吐き気がしたのですがAさんは風邪と自己診断してしまったのです。結局無理をして行った会社でも嘔吐を繰り返し半休を取って会社を早退。そこで病院に行けばよかったのですが、家で安静に過ごしていれば治るだろうと家のベッドで寝てしまったのです。呼びかけても返事のないAさんに奥さんは寝ているものと勘違いしてそのまま放置。 Aさんが意識のないことに気が付いたのはもう夕方だったのです。Aさんは幸い命を取り留めましたが、脳内出血の後遺症で社会復帰のできない状態になってしまいました。
Bさんは55歳。突然の頭痛にいつもの片頭痛だろうと、市販の頭痛薬を飲みそのままにしていました。 1週間後、Bさんはまた突然の頭痛で玄関に倒れ、そのまま意識を失って死亡。検死の結果、くも膜下出血ということが判明しました。
40歳代、女性。若い頃より頭痛があります。頭痛の頻度は冬に少なく、春から夏にかけて増加します。多い月では8回/月ありました。また、妊娠中は頭痛はありませんでした。近医で片頭痛の診断で予防薬を投与して頂き、頻度は随分と減りましたが、最近頭痛の予防薬が無効になり頭痛外来を受診されました。頭部MRIでは異常なし。予防薬の効果がなくなったため、別の予防薬を処方しました。
30歳代、女性。激しい頭痛が10歳代からありました。出産してから回数が増え、毎月一度はあります。また、頭痛時には嘔吐もあります。頭痛は夏場は2日間継続します。頭痛は、週末に多く市販薬で効果がありません。頭部MRIで異常なく片頭痛と診断し、投薬開始頭痛は軽快しました。
50歳代、男性。5日間連続して右目の上に針でえぐる様な激しい痛みがありました。頭痛はほぼ同じ時間帯に1時間程度継続します。初めての経験です。血圧は、130/86。無呼吸症候群があります。頭部MRIは異常なし。頭痛の部位や症状の発現形態や痛みの強さから群発頭痛と診断し、内服薬と酸素吸入(7L/分で15分)で症状が軽快しました。